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【長崎奉行所か、ハビアンか1】Introduction
東京は坂の多い都市、下町と山の手で江戸時代から町の成り立ちが異なる。
私の住んでいるところから長くつづく坂を上がると、山の手、小日向の台地は今は閑静な住宅街だが、その一角に「切支丹屋敷跡」がある。と言っても、今は、碑が立てられているだけで、当時を偲ぶものは何もない。
禁教令の後、この「切支丹屋敷」で最後に尋問を受けたのは、イタリア人宣教師のシドッチだ。尋問にあたったのは、新井白石であり、その様子は西洋紀聞に残されている。
今から300年前、このシドッチが江戸時代一番最後に日本に来た宣教師だ。彼もまたその屋敷の地下牢で生涯を閉じた。キリスト教の歴史は迫害の歴史であり、日本の切支丹時代にも様々な形で、迫害する者があり、また転んだ(棄教した)者もあった。