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【書評&コラム】沈黙の宗教~儒教~
「生き甲斐」これは英語に訳しづらい言葉です。
「living worth」は全然意味が伝わらないでしょうし、「the purpose in life」「a reason for living」というところになるでしょうか。日本人にとっては会社における生き甲斐を感じることが一般的には大きいのかもしれません。20代、30代の人たちはまた違った生き甲斐が多いのかと思いきや、聞いてみるとやはり、「会社」でのやりがい、生き甲斐は自分の価値を感じる場、評価される場としても、とても大きいことが分かります。
さて、その会社での評価、働き方に直結する人事制度ですが、これは会社を成長させていく上で、また社風や企業文化を変化させていく上でもとても大事なことはご存知の通りです。
93年に富士通が「成果主義」を導入して、その後2000年代はいろいろな形で大企業は人事制度を作り込む作業が続き、今はひと段落している感じでしょうか。しかし、この導入や修正・改善には侃々諤々議論がされ今に至っています。それもそのはず、欧米のシステムをそのまま日本に持ってきても機能しません。
欧米人と日本人の労働観、生き甲斐、働き方があまりにも違い過ぎるのです。この部分を考えていると、なぜ日本人はこのような働き方をするのだろうか?なぜ、日本的経営の三種の神器(終身雇用、年功序列、企業内組合)は機能したのか?会社での生き甲斐はなぜ生まれるのか…。と考えていると、儒教の影響はやはり無視することができません。